エステや脱毛のローンと債務整理|ポイント
エステや脱毛の場合、まずはクーリングオフや中途解約などの手段を検討し、残っているローンについて支払い可能かどうか確認します。
支払いが可能な場合は任意整理で解決できますし、支払いが難しい場合は自己破産や個人再生といった個々の状況に応じた最適な方法で解決することが可能です。
近年増えるエステ・脱毛サロンの倒産
ここ数年、全国的に脱毛サロンやエステ業界で倒産が相次いでいます。
大手であっても突然サービス停止となる事例があり、当事務所にも「料金を支払ったのに倒産して施術を受けられなくなった」というご相談が多数寄せられています。
一括払いは要注意⚠返金が困難なケースも
エステや脱毛の契約は、数十万円規模になることも珍しくありません。
「現金一括払い」で契約してしまうと、サロンが倒産した場合に返金を受けられない可能性が高くなります。
倒産手続きに入った企業から返金を受ける場合、破産管財人を通した「配当」という形になりますが、実際にはごく一部しか戻ってこないケースが大半です。
分割払いという「自衛手段」
そのため、一括払いが可能な場合であっても、あえてローンを利用することがリスク回避につながる場合があります。
理由は「支払い停止の抗弁権」を行使できる可能性があるからです。
支払い停止の抗弁とは?
クレジット契約やローン契約でサービスを購入した場合、事業者が倒産してサービス提供を受けられなくなったとき、利用者はクレジット会社に対して「残りの支払いを止める」ことを主張できる制度です。
この制度を活用すれば、未提供分の料金を実質的に支払わずに済む可能性があります。
分割払いのメリット
- 倒産リスクが生じた際に支払いを止められる可能性がある
- 大きな金額を一括で失うリスクを回避できる
もちろん、ローンには利息が発生するため、一概に「分割払いの方が得」とは言えません。
しかし、倒産リスクがある業界では、分割払いが「保険」として機能する場面もあるのです。
債務整理との関係性
すでにエステローンや脱毛ローンを抱えていて、支払いが困難になっている場合には「債務整理」を検討する方法もあります。
・任意整理:将来利息をカットし、分割払いを組み直す
・個人再生:借金を大幅に減額し、原則3年で返済する
・自己破産:返済が不可能な場合に借金を免責してもらう
エステローンも債務整理の対象となります。
倒産による返金トラブルで二重に損をしないためにも、支払いに不安を感じた段階で早めに専門家へ相談することが大切です。
まとめ
- 脱毛サロンやエステの倒産は近年増加している
- 一括払いは返金されないリスクが高い
- 分割払いなら「支払い停止の抗弁」で自衛できる可能性がある
- 支払いが苦しい場合は債務整理で解決できる
高額な契約を結ぶ際には、目先の割引や強引な勧誘に流されず、「もし倒産したらどうするか」を想定して支払い方法を選ぶことが、賢い消費者としての自衛につながります。
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